別記事で話したんですが、
最近の日本は長生きする人が増えました。
長生きする人が増えたことはとても良いことなんですが、
同時に病気になる可能性が高くなるということでもあります。
人生が長くなれば抱えるリスクも増えますからね。
病気のリスクに備えるにあたって、
病気に備えることはもちろん、
病気の治療法を知っておくことも大切なことです。
そのなかでも今回は「先進医療」についてです。
そもそも先進医療ってなに?っていうところから、
じゃあ実際先進医療を受けた人や費用はどのくらいなの?
っていうところまで。気になる先進医療の実態をお話します。
くわしく見ていきましょう。
先進医療とは
先進医療とはなんなのか?
それは、健康保険適用にするかどうかの評価段階の治療法です。
先進医療と聞くと、「最先端のもの」というイメージありませんか?
最先端というのも間違いではありません。
最先端で「国に良い評価をもらっているか」ということがポイントです。
良い評価というのは、その治療が、
「効果がある・安全である・医療技術が成熟している」などの技術的妥当性
「費用に見合っているか、多くの人に使ってもらえるか、説明できる筋の通っ
たものか」などの社会的妥当性
この技術的妥当性と社会的妥当性をクリアする必要があります。
単純に最先端の医療というわけではないんですね。
クリアするかジャッジするのは、
厚生労働省の先進医療技術審査部会
という国が認めた先進医療の専門機関です。
国に認められた条件を、認められた機関でクリアすることができれば、
先進医療と呼べるんです。
先進医療について
種類
先進医療っていろいろあるけど、
いったい何種類あるのか?
102種類 あります。 ※平成30年2月1日現在
【出所】厚生労働省「先進医療の概要について」より
102種類の先進医療が、健康保険適用にするかどうか評価されています。
患者数
先進医療と聞くと、どこか自分とは関係のないもののように思えます。
では、先進医療を受けた人はどのくらいいるのでしょうか?

【出所】厚生労働省「平成29年6月30日時点で実施されていた先進医療の実績報告について」より
これは平成25年から平成29年までのデータです。
先進医療の患者数は減っている年もありますが、基本的には増えていて、
平成29年が1番患者数が多くなっています。
年々先進医療を受ける患者が増えていることが分かります。
実施件数
先進医療と聞くと、なにを思い浮かべますか?
がん治療で使われる「陽子線治療」や「重粒子線治療」は有名ですよね。
じゃあ、先進医療ってほかにどんなものがあるんでしょう?
そして、どの先進医療が多く実施されているのでしょうか?
年間実施件数の多い先進医療(A)ベスト5
① 多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術 14,433件
② 前眼部三次元画像解析 11,595件
③ 陽子線治療 2,319件
④ 重粒子線治療 1,558 件
⑤ EBウイルス感染症迅速診断(リアルタイムPCR法) 255 件
【出所】厚生労働省「平成29年6月30日時点における先進医療Aに係る費用」より独自編集
結果は意外にも、「陽子線治療」や「重粒子線治療」のがん治療ではなく、
年齢とともに目が白く濁る白内障治療の「多焦点眼内レンズを用いた水晶体再
建術」や緑内障治療の「前眼部三次元画像解析」といった眼科治療でした。件
数も他の先進医療に比べて、圧倒的に多いことが分かります。
費用
先進医療と聞くと高額なイメージがありますが、
実際いくらかかるのでしょう?
年間実施件数の多い先進医療(A)ベスト5とその費用
(1件あたりの先進医療費用)
① 多焦点眼内レンズを用いた水晶体再建術 58万1,224円
② 前眼部三次元画像解析 3,484円
③ 陽子線治療 276万5,086円
④ 重粒子線治療 314万9,172円
⑤ EBウイルス感染症迅速診断(リアルタイムPCR法) 1万4,607円
【出所】
厚生労働省「平成29年6月30日時点における先進医療Aに係る費用」より独自編集
このように全ての先進医療が高額というわけではなく、
「前眼部三次元画像解析」は平均で3,484円など、陽子線治療や重粒子線治療
などに比べると低い金額の治療法もあることが分かります。
また、がん粒子線治療については2018年4月から前立腺がんや頭頸(とうけ
い)部のがんの一部に公的医療保険を適用することになりました。
保険適用が認められたり、高額の医療費には公的医療制度である「高額療養費
制度」があったりと、先進医療=高額ということでもないようです。
まとめ
「先進医療」って普段使うこともないし、どこか自分とは関係ないもののよう
に感じます。
だからこそ、どんな治療があって、いくらかかるのかなどは分かっている人は
少ないのかもしれません。
医療費も高額療養費制度があったり、保険適用になったりと、先進医療=高額
とは一概には言えません。高額だから保険に加入する!といった漠然とした備
えはやめましょう。
